小さな環境

2018年から中右手集落のみんなでサ
ウナ付きの宿を運営しています。地味に
もう4年もたっているのかー。今では大
正3年に建てられた古民家に付属してい
る蔵を改修したスモークサウナを目当て
に色々な場所からお客さんが毎週末、来
ていただいています。ありがたい! 私
が東京からこの小さな集落に移り住んで
、建築活動として初めて取り組んだこと
。こちらでは小さな関係の中で建築をし
たいなーと思っていたので、この計画で
はとにかく、地域の人たちと一緒に考え
て、一緒に作って、一緒に宿を運営して
いる。

改修前の蔵の扉を初めて開けた時、勢い
よくカマドウマが飛び出し引っ越しの準
備を始めた。カマドウマは暗くて湿っぽ
い場所を好む昆虫。人が入ってごそごそ
しだしたから、居心地悪くなって住む場
所を変えたのです。改修は地域のおじさ
ん、信幸おじさん、三郎おじさんと一緒
にコツコツと。みんな素人(笑)←どこ
かでこのおじさんたちは紹介しよう。セ
オリーで考えれば私は設計者なので、図
面を描いてどこか業者に施工を依頼する
ことが業界的なセオリー。だけど、そう
しなかったのは移住してまだまだ信頼関
係がきづけていなかった私と地域の人た
ちとの関係を建築を通して作りたかった
ということが大きい。一年がかりで完成
して、今でも小さな改修は彼らと行って
いる。最近は三郎さんの息子の明も加わ
る気配もあってとても楽しみ。今朝もサ
ウナのお客さんのために朝から火の番。
水風呂の下はあふれた水が溜まり、湿潤
環境が作られていたようで、ミズゴケの
住処になっていました。

この4年間で、カマドウマはこの場所か
らいなくなり、私と地域住民の関係が深
まり、見向きもされなかった蔵は傷んで
きては僕ら素人たちに改修されている。
そして、近くに水辺が出来たことでミズ
ゴケが生活するようになった。小さいけ
れど蔵の周りで環境が変わりつつありま
す。建築されるということは、環境(←
広域な意味での)を壊しもするし、作り
出す行為なのだと今そう思っていてます
。それらは、主体よって様々。