使いながら作ること

お知らせ。

なんと、来週の「いいいじゅー」でアト
リエナカウテを取り上げてもらうことに
なりました。

2011年の東日本震災以降、生活のそばに
あるみんなの建築をしたいと思いながら
も、何からはじめたらよいか分からず時
間だけが過ぎていたときに、せめて、住
む環境だけでも変えてみようと思って移
住したのが8年前の2016年。東京から岡
山県の美作市にある 中右手(ナカウテ)
という人口30人くらいの集落に越してき
た。

この地では、デザインして、図面描いて、
現場で大工さんに指示して、お施主さん
に引き渡して、はい。終わりという建築
ではなく、そこで生活している人と一緒
に、ありあわせの材料を用いた建築づく
りをおこなっている。違いは何かと言わ
れれば、生活と作ることを切り離すこと
なく、使いながら作ること。

とにかく、当時持ち合わせてすらなかっ
たと思う「専門性」の殻を打ち破るため
に、この8年間、私の投稿ではよく登場
する中右手の住民の信幸さんと三郎さん
、図面はかけるけど、その場所の事を知
らない、そもそも作ったことのない専門
家の私で素人建築をしている。遊び半分
で始めたパブリックハウス&サウナ久米
屋はブームもあって、営業を開始してか
ら多くの交流を生んでいるし、途中何度
も壊れたりしているが、その都度アトリ
エナカウテを結成して作り続けている。
今では見向きもされなかったボロ蔵が中
右手集落のシンボルとなりつつある。

こちらに来てからというもの、現代建築
にふれる機会は少なくなってしまったが、
生き生きとした建築はこの集落にはあっ
て、みつまた農家の忍さんが父から譲り
受け、直しながら使っているみつまた小
屋は今では私の大好きな建築物。そして
、数年前から忍さんと一緒になってみつ
またのある暮らしや技術を後世に残すた
め事業承継にとりくんでいるところ。

この集落で最も好きな建築 忍さんのみつまた小屋

他には、地元住民とこんにゃくを作って
大阪で行商したり、地元青年団の役員に
なったりと建築とは関係のない様なこと
も多くしているので、「建築家は家を設
計する人」そう思っていた両親や妻の由
里子さんに対して建築家のイメージを大
きく変えてしまったかも。いやいや、こ
れでいいんだ。時にはつくったり、つく
らなかったり、色んなことするし、結果
がわかりづらかったりするが、これらの
ことすべてを内包し、生活をよりよくす
るための仕事が建築家の仕事であり、地
域社会における建築家の役目だと思って
いる。

しっかりみっちり1週間+αで取材して頂
きましたし、担当者の土田さんはほんと
に真摯に向き合っていただいたのでとて
も放映が楽しみです!

https://www.nhk.jp/p/ts/J7775NQ8GW/episode/te/N9QMYKV73W/