UYMP/2020~
棚田の景観が広がる上山を舞台に場所に
依存したもの、人と人、人と場所との関
わりを促すようなデザインの仕組みをも
った什器の提案。
生活者が知っている心地良い場所を知る
この写真は、老婦人たちが石段に腰掛け
ている写真です。この段差は椅子の用途
として作られたものではありませんが、
座るのにちょうど良い高さです。晴れた
日にはこの場所に光が差さし、景色を眺
めるのに最適な場所となります。そして
、彼女たちが立ち去ると、ただの石段に
戻ります。生活者が知っている心地良い
場所とは、視覚的にはわかりづらいけど
、そこにずっとあり続ける場所のことを
指します。今回の提案では、現地のリサ
ーチを大事にし、生活者の行動を観察し
ながら、潜在的な場所の発見を目指しま
す。
移動ができ、場所がハッキングできるもの
提案する什器は棒状の軸に車輪をつけた
簡易なつくりとなっています。軽トラッ
ク、電気自動車、セグウェイなど上山に
ある様々な移動手段の中でも、最もシン
プルな移動ツールです。そして、特徴的
なところは、周囲の環境や置かれ場所に
依存したものであること。腰の高さの石
段に軸を渡せば机に、低い石段にかけれ
ば椅子にもなります。不整地が多い上山
地域の特徴を生かしたデザインの提案。
用途:什器
場所:岡山県美作市上山
共同設計:OKK
制作:Bespoke wood works
写真:アトリエナカウテ